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PCT国際段階における出願人の名義変更はどのように行うのか

PCT国際段階における出願人の名義変更は、2016年の途中から、オンラインでできるようになりました。 国内段階における名義変更と異なり、例外的な場合を除き、譲渡証書も委任状も不要です。この点は手続的なメリットではあります。 基本的には【出願人】(変更後の出願人全員を記載すれば、ミスがありません)と【新名義人】の欄を記載して提出します。 しかしながら、落とし穴が多くあるように思います。PCT国際段階における出願人の名義変更を含む、いわゆる国際段階での中間手続については、2016年から始まったばかりで、詳しい情報や注意事項が特許庁から提供されていないことが原因だと思われます。 とりわけ、「新名義人」については注意が必要です。 PCT(受理官庁である日本国特許庁)では、平たくいえば、「名義人」のステイタスとして、「発明者only」と「出願人only」と「発明者兼出願人」が想定されています。 普通、「名義人」といえば、「出願人」や「権利者」のことを意味しますが、このPCTについては、そのような理解をしてはいけません。 注意を要するのは「発明者兼出願人」がいる場合です。 先ず、対比のために、「発明者兼出願人」がいない場合について考えます。つまり、 ・発明者A1+A2 ・出願人B1+B2 のような場合です。このような場合について、出願人B2がB3に名義変更されるようなときは、単に、【新名義人】としては、出願人B1+B3を記載すればよいだけです(【新名義人】の欄には、変更されていないB1についても記載することになります。)。【新名義人】として発明者A1+A2を記載する必要はありません。国内段階における手続との関係でいえば、発明者には何の影響もないのだから当然といえば当然なのですが、ことPCTについていえば、そのような理解では不十分といえます。 すなわち、次に「発明者兼出願人」がいる場合について考えます。つまり、 ・発明者A1+A2+C1 ・出願人B1+B2+C1 のような場合です。ここでC1が、「発明者兼出願人」なわけです。このような場合について、出願人B2がB3に名義変更されるようなときは、【新名義人】の記載に注意が必要です。 ここで、【新名義人】として、単に、出願人B1+B3+C1を記載すればよいと考えると誤りなるようです。

各人の成長を感じることはなぜこうも楽しく嬉しいのだろうか

事務所の成長にはさまざまな要因があるけれど、「各人の成長」に負うところも大きい。 そして、「各人の成長」を感じることは楽しくて嬉しい。だいたいどの会社のマネージメントをしている管理職や経営の一翼を担っている方と話していても同じような話を耳にする。 弊所でも、 学生さんのアルバイトだったのが、特許法や特許事務手続や経理の流れや英文レターなどに習熟して、事務所の仕組みを完全にマスターして、3、4年後には立派なプレーイングマネージャーになっているとか、 未経験の弁理士さんが、5年後には、とても信頼できる仕事をする弁理士さんになっているとか、 この方の英語はこれからなんとかしないとねーって、思っていたのに、数年後には、この方の英語力はとても頼りになる!って、思えるようになっているとか、 どれも、とても素晴らしいことです! もちろん変化はゆっくりだから、今日何かして、明日は見違える、ような魔法はないけれど。時間がたてば、コツコツ頑張っていたのか(そうではなかったのか)見違えてわかるということなのかもしれません。 同じようなこととして、1.01と0.99の法則とかというそうです(1.01 0.99で検索すればたくさんでてくるけど、楽天の三木谷さんの方にも書いているらしい。)。 毎日1%の成長をすれば、(1 + 0.01) 365 =37.8 毎日1%の劣化をすれば、(1 - 0.01) 365 =0.03   ということらしい。 もちろん、年間でそんなに成長や劣化することはないけど、いわんとすることは、わかる気がする。 もちろん、短期間で目標を決めてガシガシ成長することに取り組むこともあります。ある意味理想的なのかもしれません。でも、実際のところ、人生仕事だけではないから、乳幼児の育児もあれば、子どもの中学受験もあれば、親の介護もあれば、弁理士試験もあれば、いろいろあるわけです。なので、そんな中でも少しずつ、各自のペースで、コツコツと成長していくことを意識していると違いが出るのかな、と思います。短期ガシガシ成長と長期コツコツ成長どちらも素晴らしいと思います。 あまりお節介な仕事場ではないから、頑張っていても、さぼっていても、何もいわれることはないですけど、うまく成長曲線に乗る

マキサカルシトール事件最高裁判決は、とりわけ化学分野での予見可能性を奪い、不相応な保護を与える可能性があるのではないか

マキサカルシトール事件最高裁判決がでました。 問題とされたのは、いわゆる均等の5要件のうち、第5要件です。 【第1要件】  対象製品等との相違部分が特許発明の本質的部分ではないこと。 【第2要件】  相違部分を対象製品等におけるものと置き換えても、特許発明の目的を達成することができ、同一の作用効果を奏すること。 【第3要件】  相違部分を対象製品等におけるものと置き換えることが、対象製品等の製造等の時点において容易に想到できたこと。 【第4要件】  対象製品等が、特許発明の出願時における公知技術と同一、または公知技術から容易に推考できたものではないこと。 【第5要件】  対象製品等が特許発明の出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情がないこと。 事案は、特許権者(被上告人)は,本件特許の特許出願時に,本件特許請求の範囲において,目的化合物を製造するための出発物質等としてシス体のビタミンD構造のものを記載していたが,その幾何異性体であるトランス体のビタミンD構造のものは記載していなかったところ、被疑侵害者(上告人)は、目的化合物を製造するための出発物質等としてトランス体のビタミンD構造のものを用いていました。 すなわち、特許請求の範囲では、出発物質等としてシス体であるのに対して、被疑侵害者は出発物質等としてトランス体を用いていたわけです。 シス体とトランス体は、右手と左手みたいなものですから、出願人が自ら「右手」をクレームしているのであれば、当然「左手」を除外することを意識していると理解できそうなものです。 そこで、被疑侵害者(上告人)は、均等の5要件のうち、第5要件を満たさないと主張をしたわけです。 最高裁は、次のように判示し、その上で、侵害を認定しました。 出願人が,特許出願時に,特許請求の範囲に記載された構成中の対象製品等と異なる部分につき,対象製品等に係る構成を容易に想到することができたにもかかわらず,これを特許請求の範囲に記載しなかった場合であっても,それだけでは,対象製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情が存するとはいえないというべきである。 もっとも、・・・出願人が,特許出願時に,特許請求
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