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いずれか早い(遅い) A or B, whichever comes first (later)

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特許実務でよく使う表現で、「A又はBのいずれか早い方」、「A又はBのいずれか遅い方」という表現があります。 例えば、「医薬品の場合の「特許発明の実施をすることができなかった期間」は、 臨床試験を開始した日、又は特許権の設定登録の日のうちのいずれか遅い方の日 から、承認が申請者に到達した日、すなわち申請者が現実にこれを了知し又は了知し得べき状態におかれた日の前日までの期間である。」 A or B, whichever comes first A or B, whichever comes later と訳するのがお決まりの表現です。 この応用編としては、以下があります。 違う動詞として、 , whichever occurs first でもいいです。 違う動詞として、be動詞にして , whichever is later でもいいです。 また、受け身でも当然よくて、 , whichever is filed first でもいいです。 また、whicheverを形容詞的に用いて、 , whichever event occurs first でもいいです。 時間の前後だけではなくて、 , whichever is less , whichever is shorter , whichever is greater , whichever is more favorable などでもよいわけです。 お読みになってくださった方のお役に立ちますようにこの記事を書きました。 ↓お役に立ったという方はクリックを!(励みになります!) (2017年4月1日からお試し中です) ↑特に役には立たなかったけど努力は認めるという方もクリックを!!(励みになります!)

特許権の延長制度を巡る最高裁判決の余波(審査基準)

ご存知のとおり、製剤特許の延長に関して、最高裁の判断が出たので、良しも悪しくも、審査基準は改訂されざるを得ない。とはいえ、最高裁の判断の射程が微妙である。 それは、改訂作業中の特許庁の判断をひとまず待つとしても、おそらく、ある意味とばっちりをくらいそうなのは、製法特許だろう。 審査基準 (なお、平成13年4月の Q&A )によると、 ( ⅲ ) 物の製法の発明がクレームされている場合には、その製法で得られる物と処分を受けた物を 比較する。製法の比較はしない。 とされているが、最高裁の判断だと、製法の比較をしないのでは延長に値するのか、そもそも、微妙である。実施が制限されていたとは当然いえないのではないか。真面目に、条文を考えれば、この製法特許の実務の根拠は、多分に歴史的なものにすぎず、延長に値するのか、そもそも疑わしい。まあ、実益も大きくないのかもしれないが。今回の最高裁判決は、延長制度の現代的意義を実定法に基づいて検討し直すよい機会だと思うが、製法特許の延長の必要性と法的根拠はあやふや(とりわけ、製法の比較をしない点を含め)と言わざるを得ないだろう。 特許庁がこの点まで、検討し直すのか、とりあえず、手付かずにするのか、興味深い。

ファイザーの後発品

今日の日経新聞によると、ファイザーの日本法人が、大日本住友製薬の感染症治療薬の後発品(「メロペネロ水和物」)を発売するとのこと。また、年内に20製品、2015年までに100製品をローンチするとのこと。 ファイザーが後発品を出すことは既に発表されていたので、驚きでもなんでもないし、先発品メーカーのジェネリックの販売は世界的な傾向でもある。 さて、ファイザーに限らず、このような先発品メーカーによる後発品の販売により想定されるのは、先発メーカー同士の係争が増加する可能性、とりわけ、先発品メーカーは、後発品を出す時のFTOのレビューのノウハウが十分ではない場合もあり、また、他の後発品メーカーとのつながりも希薄なことも多いので、後発品業界の横のネットワークが得られにくい。少なくともしばらく慣れが必要になるだろう。 ただ、先発品メーカーに対する信頼は厚いだろうし、MRの規模感も、後発品メーカーのそれとは圧倒的に差がある。したがって、長い目で見れば(それほど長い目でみなくても)、先発品メーカーは、ドミナントな、後発品販売のプレーヤーになり得るだろうし、そうなると、多くの小規模な後発品メーカーの収益を決定的に、圧迫し、一部の小規模な後発品メーカーは単独では生き残れず、市場から退場を余儀なくされるか、再編されるであろう。 また、たとえば、国内では中規模または大規模な後発品メーカーであっても、先発品メーカーや海外の大手後発品メーカーに、時間を買うために買収されることも、今後も続くであろう。

組み合わせ医薬の訳出方法:A medicament comprising a combination of A & B

日本では「A化合物とB化合物の組み合わせ」という形式では、通常、クレームフォーマットの問題として、許容されないので(欧州では許容されていると記憶している)、日本では、「組み合わせ医薬」と表現することが、多い。 さて、翻訳するときには、どう翻訳するか、が問題となります。この点、よく質問を受けますし、外内の仕事をするときに直面もします。最も頻繁に見られる表現は、次の表現だと思います(ググってもかなりの数がでます。)。 A medicament comprising a combination of A & B 御参考まで。

BBS並行輸入最高裁判決

しばしば問題になる並行輸入についての最高裁判決。 「特許権者は、譲受人に対しては、当該製品について販売先ないし使用地域から 我が国を除外する旨を譲受人との間で合意した場合を除き、 譲受人から特許 製品を譲り受けた第三者及びその後の転得者に対しては、 譲受人との間で右の旨を合意した上、特許製品にこれを明確に表示した場合を除いて、 当該製品につい て我が国において特許権を行使することは許されないものと解するのが相当である」 これは、文言からは、原則として、「第三者及びその後の転得者」に対して権利行使が許されない、そして、許されるためには、譲受人との間で合意し、かつ、特許製品に明確に表示しなければならない、と読むべきことになる。 合意をし、かつ、表示をしていれば、(常に)権利行使ができるというようには決して記載されていないが、ただ単に(解釈を添えずに)そのように説明している教科書も多いようだ。 ただ、この素直な文言解釈によると、合意をし、かつ、表示をしていても、「第三者及びその後の転得者」に権利行使はできない場合はあり得るが、合意がない、または、表示がない、場合には、「第三者及びその後の転得者」に権利行使はできないことになる。果たして、そのような解釈が妥当をするのか、学説もわれているようである。今後の発展がまたれる。

FTO

FTOの依頼が比較的に多い。 FTOとは、Freedom To Operateの略で、一般に、他者の特許による自己実施を確保するための法的評価プロセスをいう。 特許権の権利行使として、差止請求を行うことができるため、自己実施が他社の特許に抵触しないことは、ビジネスの継続性・信頼性を高めるために、極めて重要なプロセスとなる。 FTOの依頼には、 ・侵害性の調査 ・侵害性の鑑定 ・有効性の調査 ・有効性の鑑定 が含まれることが多い。場合によっては、FTO確保のための、ライセンス交渉や無効審判請求などの依頼を受けることもある。 ほとんど全てにおいて、侵害性の鑑定が含まれる。ちゃんとした鑑定をするには、ちゃんとした能力が必要となる。

後発品会社による虫食い申請解禁

厚生労働省の2009年6月9日の通知は、虫食い申請ができることを明らかにした。  「先発品の一部の効能・効果、用法・用量(以下「効能・効果等」)に特許が存在し、その他の効能・効果等を標榜する医薬品の製造が可能である場合に ついては、後発品を承認できることとする。」 とある。これは、従来の実務からの転換を図るためのものであり、虫食い申請が、原則として解禁されたと考えてよい。 なお、同通知は、「特許の存否は承認予定日で判断する。」としているので、場合によっては、後発品の承認後に用途特許が成立することは当然に生じ得るし、実際にそのような事案もある。 なお、同通知は、既に製造販売承認を得ている医薬品と明らかに異なる効能・効果等が認められた医薬品等については、原則として4年間の再審査期間を付すことも入念的に記述している。 なお、承認が無事におりたとしても、後発品の薬価収載に当たって特許に関する懸念がある品目については、従来通り事前に当事者間で調整を行い、安定供給が可能な品目についてのみ収載手続きをとるとされており、収載までに、特許の問題が生じる(または、顕在化する)と、収載が無事に行われないこともある。医療現場の混乱を防ぐためには、仕方が無い規定ではあるが、濫用されることがないようにしなければならないだろう。 関連サイト

先発品と後発品の収載

2012年度から、薬価収載基準時期が、以下のように変更になる。 ・先発品(年4回)は2,5,8,11月(従来は、3,6,9,12月) ・後発品(年2回)は6,12月(従来は、5,11月) 後発品に関しての承認時期と収載時期の関係は、2012年度以降は、以下のようになる。 ・2月15日までに承認されたものが、6月に収載される。 ・8月15日までに承認されたものが、12月に収載される。 関連サイト(1) 関連サイト(2) この結果、特許がLOEを決める場合、例えば、2月16日まで特許があれば、後発品は、(2月15日までに承認は下りないので)12月収載なので、約10月の事実上のexclusivityを享受することになる。まさにこの理由で、延長期間が10日でも、3日でも、さらにいえば、1日でも、延長するべき価値がでてくる場合が生じるのである。

感謝感謝

スイスから帰国後、ほぼ毎日、新しいお客様からコンタクトがあり、ほとんどすべて、お仕事の御依頼を頂戴しました。とてもありがたいことです。 特に、俗に言う営業活動なるものを全くしておらず、する時間もないので(さらに、それが何なのかあまりわかっていない)、我々を見い出してコンタクトをして下さるお客様は、率直にありがたいと思います。また、弊所を適任として紹介して下さる、友人、知人、他の特許事務所や法律事務所の先輩や仲間にも、感謝感謝です。 それらの感謝に報いるためにも、いつも御依頼いただく仕事は、お客様に期待以上のものと喜んでいただけるよう、どれも一つ一つを一生懸命、皆で取り組んでいきます。 最近、やはり確信しつつあるのは、目の前の仕事一つ一つを一生懸命にやるのが、実は全てにおいて一番だと思います。

「強制の契機」と「気の持ちよう」

「各国のシニアマネージャーが集まる会議で突然進行役を命じられました。それはピンチですか?チャンスですか?」 電車に乗っていると、たしか、どこかの英会話学校の広告に、このような文句があった。 広告の意図はともかくとしても、気の持ちようだと思う。 誰にとっても、今の自分にとって、チャレンジングな課題に取り組める機会を(強制的に)与えられるのは、自分を段階的に成長させるよい契機になると思う。 多すぎても困るけど、年に1つ克服するより、毎月1つ、さらにそれより、毎週1つ克服する方が、成長する。これは数年の間に雲泥の差になるはず。 そして、人間(私!?)は本来横着者なので、意思の力だけではなかなか難しい。全ての人が与えてくれる強制の契機はつくづく有り難いと思う。 「チャンスはピンチの顔をしてやってくる」 というタイトルの本もあった気がするけど、似たようなことをいっている気がする。

苦しんだ一日の価値

苦しんだ一日は、成長した一日。 楽をした一日は、成長しなかった一日。 こう考えると、苦しんだ一日に充足感を覚えることができる。

EPCと欧州各国の関係

2011/05/30 中央知財研・備忘録、 2011/06/04 欧州現地代理人からのコメントを踏まえて追記 欧州特許法上、たしか、締約国に、EPCと矛盾しないように求めている規定あったはず。その読み方は?EPCと異なる解釈を用いて、EPOで付与した特許を各国法に基づいて無効にしてはならない、ということを要請するものにすぎないのか?締約国は、EU directiveには直接拘束されるが、EPCの条文にはさほど拘束されないのか。ちょっと、色んなところ(国の内外を含めて)で窺うニュアンスが異なるので、いつか確認しておこう。ややすっきりしない。 ES細胞関連技術なども、英国は、欧州特許庁より明らかに緩い基準を設けていたが、この状態は、どういう状態なのか。以前の審査ガイドでは、イギリスでは緩くてよいと開き直っていたが(!?)、EPOのEBA審決後は、イギリスでは、審査ガイドを改めたが、その際には、EPOとの調和云々を語っていたはず。 ドイツの補正の要件もオランザピン事件前まではEPOの実務よりもゆるゆるだったとの指摘あり。 ふ~ん。ちゃんとすっきりしたいな。 (追記) 欧州の現地代理人からのコメントを踏まえると、 EPC2条(2): 「 The European patent shall, in each of the Contracting States for which it is granted, have the effect of and be subject to the same conditions as a national patent granted by that State, unless this Convention provides otherwise . 」 つまり、 EPCに別段の定めが無い限り は、欧州特許は各締約国において、当該締約国で付与された国内特許の効力を有し、国内特許と同じ条件に服することになる。ここまでだと、国内特許と同じ条件である限り、無効にしてもいいことになる。しかし、この別段の定めとして、138条(1)があり、欧州特許を各国で無効理由とするための理由が、 限定列挙 されているとのこと。 EPC138条(1): (1) Subject to Article 139, a Europ
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