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同一出願人による出願で注意すべき点(自己衝突、terminal disclaimer、self collision、double patenting)

同一出願人による複数の出願の間で、非常に類似したり、上位下位になったり、部分的な重複が生じる場合があります。

このような場合にいかに取り扱われるかは、以下に要約するとおり、各国でさまざまです。

なお、日本でも、非常に類似したり、上位下位になったり、部分的な重複が生じる場合等に関して、39条の意味合いにおける「同一発明」かどうかの判断が微妙です (しかも、同一出願人間と異なる出願人間で同じ基準でよいのかどうかも議論し得ると思われます。)。したがいまして、我が国においても以下に述べる米国のターミナルディスクレーマー「の様な」制度の導入 を検討すべきかとも思われます。ただ、現状では、39条や29条の2を徹底的に研究することによって、対応していかざるを得ないと思われます。

1.日本

日本では39条が主要な役割を果たします。29条の2(いわゆる拡大先願の地位(先行技術効果ともいわれる)は同一出願人の場合は同一発明者の場合には完全に排除されますし、新規性・進歩性については、審査対象の特許出願の出願日(優先日)において、公開されていない限り、引例にならないからです。

2.EPO

欧州特許庁では、EPC54条(3)EPC56条とが重要な役割を果たします。

EPC54条(3)は、ある審査対象の出願よりも、①先に出願され、かつ②後に公開された、他の出願の明細書の内容が、当該審査対象の出願にとって技術水準をなすものとみなされています。ある意味、日本の29条の2に似ています。しかし、同一出願人による出願間にも適用がある点で39条とも類似しています。

では進歩性についてはどうかというと、EPC56条によって、EPC54条(3)によって技術水準にあるとされるものは、進歩性の判断に関しては考慮されないとされています。

したがいまして、新規性については考慮するが進歩性については考慮されないといことになるので、novelty only prior artなどともいわれます。


3.米国

米国では、double patentingという問題になります。これは、出願人が同一の場合に適用されます(出願人が異なれば、新規性や進歩性やインターフェアレンスなどで処理されます。)。2つのタイプがあります。

1)同一発明型二重特許(same invention type double patenting)

米国特許法101条が、単数形で「a patent」を取得できる、と記載していることを法律上の根拠として、同じ発明については、1つの特許しか特許が付与されないこととなるという理由で、一応、法律上の根拠があるとされています。同一発明型二重特許であるとの拒絶理由に対しては、ターミナルディクレーマーで対応することができません。

2)非法定型二重特許(non statutory type double patenting)、別名、自明型二重特許(obviousness type double patenting)

法律上というよりは公益的見地から判例に基づいて認められた拒絶理由ですので、「非法定型」といわれます。
非法定型二重特許であるとの拒絶理由に対しては、ターミナルディクレーマーで対応することができます。すなわち、存続期間の終期を他の特許の存続期間の終期と合わせることにより、拒絶理由を解消できます。しかしその場合には、それらの特許は分離移転が許されず、権利行使が許されません。

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