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特許年金の追納


仕事仲間がお休みに台湾に行かれました。。。
お土産に私の大好きな台湾のお菓子をもってきてくれました。。。
僕もまた台湾に行きたい。。。台湾は人も食べ物も素敵なところです。。。




ところで、追納のこと。

この間、それまで付き合いのまったくなかった外国の事務所から、突然、特許年金の追納を依頼されました。

弊所が特許年金を管理をしていた案件ではなかったので、期限内に支払われなかった理由について、詳しい事情は知りませんし、知る必要もないので聞きません。

通常、(1)納付懈怠というミスか(これはさらに、原因が、クライアント側か、事務所・年金管理会社側か、その両者かという問題もあります)、(2)それとも意図して納付をしなかったがその後やはり権利を維持したいと思いなおしたか、のどちらかになると思います。弊所に依頼してくる時点で推して知るべしかもしれませんが、知る必要もないことは聞きません。

特許法上、特許年金の追納には2種類あります。1つは6月以内の追納(112条1項)、もう一つは6月経過後の追納(112条の2第1項)です。前者は天国、後者は地獄です。

前者の場合と後者の場合には、必要な手続きが全く異なります。

今回は弊所が処理を依頼を受けたのは前者(6月以内の追納)です。実は弊所では初めての手続なので(弊所では、国内年金管理を4重チェック体制にして、きっちりしているので弊所のミスによる追納の経験がなかったためです。)、少し慎重に対応しました。この前者の手続の場合には、通常どおりの特許料納付書を作成して、但し、通常の倍額を記載するだけです。特に6月以内の追納であることの表示はいりません。

ちなみに納付懈怠というミスをしてしまうのは、事務所が大規模か小規模かほとんど関係がありません。結局は、窓外案件を処理した担当者の入力やその後のダブルチェック等の多重防御の厳密性に依存するからです。弊所では4重チェック体制のうちの1つは、私自身によるチェックです。大変ですが、全件特許証が出た時点で、満了までの年金期限の入力を自分でチェックしています。

なお、納付懈怠ミスを不幸にもしてしまったなら、気付くなら6月以内にすべきです。「6月以内の追納(112条1項)」はお金だけの問題なので簡単にできますが、「6月経過後の追納(112条の2第1項)」は要件が厳しいので認められないことがほとんどです。いわば、前者は天国、後者は地獄です。

「6月経過後の追納(112条の2第1項)」が許されなかった裁判例として、有名な事件(東京地判平成26年1月31日(平成25年(行ウ)第467号,第468号,第469号)、例えば、解説はこちら))では、判決文を読む限り、特許法律事務所の担当者のデータベースへの入力ミスによる納付懈怠ミスが救済されませんでした。個人的には、1000件、10000件も処理していれば、人間だもの、ミスはあるかと思いますが、そういうものを救済しない裁判所もどうなのかな、とも思います。他の案件は正しく処理されていたことを救済しない理由にしていますが、他の案件が正しく処理されているからこそ、善良な注意をもって管理をしていたといえるので酷な気がします。丁度、「マイナンバー」がうっかり記載された住民票が誤って発行されたニュースが流れていますが、そんな失態よりもはるかに日本のどの特許事務所様もきちりと管理をされていると思います。

とはいえ、日本の裁判例を見ていれば、相当に厳しいので、DBの入力は腹の底から信頼できるスタッフでなければ任せてはいけないことと、そして入力担当者は、ミスが絶対に生じないように集中してデータの入力すること(これらは、クライアントに対する責任ですので。)、さらに、ダブルチェック(必要によりトリプルチェックなど)を貫徹することが仕事の基本ですね。地味な仕事です。

とにかく弊所が急きょ依頼を受けた本件では「6月以内の追納(112条1項)」だったので、無事に権利が維持されてよかったです!


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