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特許出願における配列表の取り扱い

配列表の取り扱いについては、以下の2つに分けて考えるとわかりやすい。

(1)配列表の記載義務

(2)磁気ディスクの提出義務

実際には、オンラインで配列表を明細書に含めて出願する場合には、(1)の義務と(2)の義務を同時に満たすことになりますが、理屈上は、別個の義務です。紙出願を意識すると、わかりやすいでしょう。

配列表の取り扱いについては、特許法ではなく特許法施行規則に定められています。

特許法施行規則27条の5は、1項で配列表の記載義務2項(出願時)と3項(補正時)で磁気ディスクの提出義務について定められています。なお、5項は面白くて、磁気ディスクの内容は願書に添付した明細書に記載した事項とみなされない、とあるので、新規事項追加の根拠は、あくまで、出願時の明細書・図面・クレーム・配列表となるはずです。

配列表の記載義務は次のようなものです。配列についての言及の仕方は、明細書やクレームや図において、様々です。テキストでベタに打つこともあれば、【式】として記載することもあれば、【表】にして複数の配列を書き並べることもあれば、単に配列番号Nに記載の配列とだけ書く場合もあります。全ての場合について、配列表を記載することになります。

磁気ディスクの提出義務は、基本的には、特許庁の調査の便宜のための規定です。

特許法施行規則38条の132は、1項で、外国語特許出願について、国際段階における適式な配列表が提出されていれば、翻訳文に記載されているものとみなされるとしています。つまり、配列表の記載義務はないことになります。なお、日本語特許出願については、そもそも184条の6の規定があるので、このようなみなし規定を特許法施行規則で設ける必要がありません。

もっとも、3項から明らかな通り、配列表の記載義務はなくても、原則としては、磁気ディスクの提出義務は免除されていませんので、磁気ディスクの提出義務があります。もっとも、受理官庁が日本の場合等で、特許庁長官にすでに提出されている場合には、提出する必要はありません。

特許法施行規則とは別に、実務上留意すべきことがあります。磁気ディスクの提出は、所定の書面を提出しつつ行う必要がありますし、フロッピーディスクを準備するのも、相当に面倒です。そこで、国内移行の際に、オンラインで翻訳文提出するときに配列表を明細書に含ませたり、または、その後、配列表(を追記する)補正として、オンラインで提出することにより、この磁気ディスクの提出義務が果たさしたことになります。これは別の条文によるものです。ただ、ここでも、国際出願時において所定の手続きをしているからこそ、配列表の記載義務が満たされていることになり、残りの義務である、磁気ディスクの提出義務だけの問題になるから、このように取り扱えるわけです。


特許法施行規則


(塩基配列又はアミノ酸配列を含む特許出願等)

第二十七条の五  塩基配列又はアミノ酸配列(以下この条において「配列」という。)を含む特許出願をする者は、特許庁長官が定めるところにより作成した配列表及び当該配列表につき特許庁長官が定める事項を、願書に添付する明細書(特許法第三十六条の二第四項 の規定により明細書とみなされる外国語書面(特許請求の範囲及び図面を除く。)の翻訳文を含む。以下この条において同じ。)に記載しなければならない。

2  前項に規定する特許出願をするとき(特許法第三十六条の二第二項 の外国語書面出願にあつては、同項 の翻訳文を提出するとき)は、前項の配列表を特許庁長官が定める方式に従つて記録した磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。以下同じ。)を、特許庁長官に提出しなければならない。

3  前項の規定は、第一項の配列表について特許法第十七条の二第一項 の規定による補正をする場合に準用する。

4  前二項の規定により磁気ディスクを提出する場合は、様式第二十二により作成した物件提出書を当該磁気ディスクに添付しなければならない。

5  第二項及び第三項の規定により磁気ディスクを提出するときは、願書に添付した明細書に記載した配列とその磁気ディスクに記録した配列が同一である旨の陳述書をその磁気ディスクに添付しなければならない。

6  第二項及び第三項の規定により提出した磁気ディスクに記録した事項は、願書に添付した明細書に記載した事項とみなさない。


(塩基配列又はアミノ酸配列を含む特許出願等の特例)

第三十八条の十三の二  塩基配列又はアミノ酸配列を含む外国語特許出願に係る国際出願日における明細書が規則5.2(b)の規定に従つて作成されており、かつ、当該明細書に同条約に基づく規則12.1の規定に従つて作成された配列表が記載されているときは、当該配列表は、特許法第百八十四条の四第一項 の規定により提出される翻訳文に記載されたものとみなす。

2  国際特許出願についての第二十七条の五第二項の規定の適用については、同項中「特許出願をするとき」とあるのは、「特許出願について特許法第百八十四条の五第一項 に規定する書面を提出するとき」とする。

3  前項の規定により特許法第百八十四条の五第一項 に規定する書面を提出する者が第二十七条の五第二項 に規定する磁気ディスクを提出しようとする場合であつて、当該磁気ディスクが特許庁長官に提出されているときは、同項 の規定にかかわらず、当該磁気ディスクを提出することを要しない。

4  特許法第百八十四条の八第二項 の規定により同法第十七条の二第一項 の規定によるものとみなされる補正についての第二十七条の五第三項 の規定の適用については、同項 中「補正をする場合」とあるのは、「補正をする特許出願について特許法第百八十四条の五第一項 に規定する書面を提出する場合」とする。

5  特許法第百八十四条の二十第四項 の規定により特許出願とみなされる国際出願についての第二十七条の五第二項 の規定の適用については、同項 中「特許出願をするとき」とあるのは、「特許出願について特許法第百八十四条の二十第一項 の申出に係る書面を提出するとき」とする。

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