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知財研フォーラム



今月号の知財研フォーラム(リンクは、こちら)に、私の執筆したレポートが掲載されました。


試練に立つヒトES細胞関連発明の生命倫理を巡る特許適格性論
 
2011年10月18日,EU法に関して統一した法の適用・解釈を担う欧州連合司法裁判所は,ドイツ連邦最高裁判所からの付託に基づき、ヒト胚の使用を伴う発明の特許適格性に関してEUにおける主要な法的枠組みを提供する,いわゆるEUバイオ指令の6条(2)(c)における「ヒト胚」の解釈を与える判決を下した。しかし、同判決をもってしても、EUにおける、ヒト胚の使用を伴う発明の生命倫理を 巡る特許適格性の論争に終止符が打たれることはなかった。本稿では、欧州の最新の動向を踏まえつつ、我が国におけるヒトES細胞関連発明に関する我が国における特許保護の在り方を模索する。



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いつも執筆の依頼や講演の依頼は、お客様の仕事をする時間の確保を最優先にしているので、依頼された時点で、お受けできるかどうか、とても慎重に判断していますが、今回は、半年ほどの猶予を頂けたのと、他ならぬダンディな高倉成男先生からのお声掛けだったので、やらせていただきます!と言ってしまいました(不覚!)。。。

ただ、半年なんて、忘れているうちにあっという間に来てしまいます。締切りを意識せざるを得なくなっても、案の定というか、いや想定の範囲を超えて、とりわけ仕事がパンパンになっており、何もできないままでした。しかし、一念発起して、仕事が無い週末を利用して、とことん調べて、質問して、書いて、リバイズして、色々な人の意見を聞いて、の繰り返しです。

書きやすいテーマを選んだつもりが、調べれば調べるほど、押さえておくべき重要な判決や基準の改定などがあり、ひとつひとつ読み込むのに時間がかかりました。さらに、調べている最中にも新しい動きがあったり、で苦労しました。すでにある刊行された論考との差異化も当然ながら意識せざるを得ず、当初の範囲を大きく超えることになりました。当初は、欧州連合司法裁判所判決C34/10だけを扱うつもりが、ドイツ最高裁判決(BGH X ZR 58/07)もISCC事件の英国特許裁判所判決(EWHC807)も、EPO(欧州特許庁)の審査基準の変更やcut off dateの運用の変遷も調べることになりました。世界中の方に助けられた感じで、人にお願いすることが苦手なので、時間があったらでいいですよ、とか、無理のない範囲でいいですよ、とか、と留保をつけているのですが、一緒に判決文の評釈を議論させていただいたり、欧州特許庁で最も詳しい審査官に質問をしてくださったり、ドイツ語の原文のニュアンスを検討していただいたり、ドラフトを読んでいただいたり、その過程で、多くの方と協力でき、親交を深めることができたのは、有意義でした。知財研フォーラムの担当のN様にもお世話になりました。

本当に週末も休めずに苦労しました。時間があまっている引退後ならともかく、今やるのはしんどくて、投げ出したい気持ちとの格闘でした。しかし、やっぱり脱稿した後は、爽快でした。そして、(終わったからこそいえるのですが)とっても勉強になりましたし、今後のお客様の仕事にも生きると思います。こういう強制の契機は大事にしたいと思います。


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