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中間省略(合併による名義変更と名称・住所変更)


不動産に関する登記などで中間省略登記が問題となることはよく知られていますが、特許権や商標権の登録についても同様の問題があります。

例えば、

例1)特許権を有しているA社がB社に吸収合併され、その後、B社の社名が、BからB’に変更した場合です。

本来、吸収合併と名称変更のそれぞれについて手続きをするのが原則です(この場合、前者については、「合併による移転登録申請」、後者については「表示変更登録申請」を行います。)。

しかしながら、真の権利者の方で手続きをしばらく怠っていたという場合があります(場合によっては、10年以上放置されることもあります。)。

その場合に、両方の手続きを1つの手続きでできないか、という問題が、ここでの問題です。

2つの手続きをすると、費用が余計にかかる、時間も余計にかかる、というデメリットがあります。

上述の例以外にも、さまざまな中間省略の例が考えられます。

例えば、

例2)特許権がA社からB社に譲渡され、この登録をしないままに、B社からC社に譲渡されたという場合

例3)特許権を保有するA社がB社に吸収合併され、この登録をしないままに、B社がさらにC社に吸収合併された場合

特許庁の実務上は、上記例1)の場合には、中間省略登録が可能としています。しかし、例2)は、中間省略登録が許されません。また、上記3)の場合には、許されます。

例1)の場合には、「合併による移転登録申請」を行うことで足ります(この意味では、厳密には、「中間」を省略していないともいえますが。)。その際には、承継人の欄には、合併時の名称(B)ではなく、申請時の名称(B’)を記載します。しかし、添付書面として、合併の事実を証明する書面と承継人の名称の変更経過を証明する書面の提出が必要となります。なお、外国企業の場合には、合併の事実を証明する書面と承継人の名称の変更経過を証明する書面を兼ねた書面として、これらの事実を述べる承継人代表者の書面をさらに公証したものを提出するという実務も認められています(翻訳文の提出も必要です。)。

このように、各類型毎に、中間省略申請ができるのかどうかが実務上定まっており、かつ、その場合によって、手続きの方法が異なりますので、きちっとした対応が求められます。

とりわけ、今まで放置していても、急に、譲渡やライセンス契約に関連して、あるいは、特許権の延長に関連して、ある時までに、登録回りをきちんと整理しなければいけないという必要性が高まることがあります。このような場合に、中間省略登録ができる場合について理解して、中間省略申請の時間的費用的メリットを理解して、そのための適切な手続きについて理解しておくことは、マイナーなことですが、重要なことだと思われます。


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