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弁理士数と一人当たり出願件数について思う


私がこの業界に入ったのは1999年だったと思います。その時の日本の特許庁の年間の特許出願件数は44万件ほど。それから約20年経過しましたが、現在の同件数は32万件です。30%程度も減少しています。単純にいえば、30%の売上の減少ということになります。しかし、これだけにとどまりません。1999年における弁理士数は、4000人程度です。現在は、11000人を超えています。約3倍に増加しているわけです。

とすると、単純にいえば、弁理士一人あたりの仕事は、7割ほど減っていることになります。

そういうことを考えていたら、某先生(ブログではお名前を出していらっしゃらないようなので、某先生とします。)のブログに行きつきまして、弁理士数と一人当たり出願件数のグラフがありましたので、リンクにて紹介(引用)いたします(勿論、©は当該某先生に帰属します!)

百聞は一見に如かず、ですね。このグラフからも同じような傾向が読み取れます。

※ ブログ記事自体へのリンクは、こちらです。なお、元データの数字もエクセルファイルで公開して下さっています。他にも独自の視点からの興味深い記事が多いように思います!



もちろん、この数字だけではすべてを語れません。この数字よりも、厳しいという方もいらっしゃいますし、この数字よりは、まだまし、という方もいらっしゃいます。

いずれにせよ、業界全体としてはなかなか厳しい傾向といえます。こんなに弁理士を増やしても仕事がないと思いますし、質の劣化を招きますから、このような傾向は日本のためにはならないように思います。腕を競う自由競争もある程度までは需要者にとって好ましい面もありますが、特許は質が大事なのです。

もちろん、ぼやいても始まらないのです。このような変化の激しい時代では、昔の常識で物事を考えてはいけないように思います。私も約20年前に勤めていた時代はどうだったかな、と考えることがありますが、最早20年前のやり方は、今では全く通用しないと思われ、昔に染み付いたような古いやり方に固執していて変化ができないと、淘汰されてしまいます。

こういう時代ですが、実は、我々は、自己研鑽や創意工夫を絶え間なく行っており、年々進化していますから怖くないのです。あまり大きな声ではいえませんが、創立以来ほとんど全く営業もしていませんが、全員が協力して、業界の変化よりも早いスピードで進化する覚悟さえあれば、何とかなると思います。怖いのは、変化を厭い、今までのやり方に固執し、現状に甘んじるときだと思います。そして、協力的で良質な人材を集めて育て、かつ、小回りが利き、統率の図りやすい小さな組織でいると、変化への対応が抜群にスムーズといえます。これは仲間の弁理士から指摘を受けたことですが、なるほどそのとおりだ、と思いました。





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